他の共有者から持分を買い取るには
1. 他の共有者から持分を買い取りたい
不動産を複数人で共有している場合、他の共有者から共有不動産の共有持分を買い取ることができます。
仮に他の共有者が複数人いる場合には、全ての共有者から共有持分を買い取ることも可能ですし、一部の共有者のみから共有持分を買い取ることも可能です。
共有不動産そのものを売却する場合には共有者全員の承諾を得ることが必須となりますが、自分の持分だけを売却する場合であれば、他の共有者の承諾なしに各自の単独の判断で持分を処分することができるからです。
したがって、共有持分については、共有持分を持っている人と買う人との間で合意ができれば、売却や買取が自由に行えるのです。
2. 買取交渉
他の共有者から共有持分を買い取りたい場合には、共有持分を持っている人に対し買取交渉を行っていくことになります。
そのため、まず、買い取りたい共有持分を持っている権利者に対し、共有持分を買い取りたい旨を申し入れます。
仮にその相手が持分を売却したくないと述べるような場合には、何とか相手を説得して売却に応じてもらわないといけません。
その後、相手が持分の売却に応じてくれるようであれば、共有持分の買取価格の交渉を行います。
共有持分を売却する場合、共有持分は流通性が低いため、不動産全体を売却する場合と比べて、一般的に非常に低い売却額になることが普通です。
しかし、自分から共有持分の買取を持ちかけて相手が渋々と売却に応じてくれたようなケースでは、このような低い価格では相手が売却に応じてくれないことも十分に考えられます。
なお、不動産の買取交渉は不動産業者や弁護士に依頼することも可能です。
3. 売買契約書の作成
交渉の末、共有持分権者との間で売却価格について合意ができたら、その内容を踏まえて売買契約書を作成します。
他の共有者から持分を買取る際には、不動産の仲介業者を介入させないことも多いですが、そのような場合は自分たちで売買契約書を作成しなければならないため、注意が必要です。
売買契約書には、物件の特定、共有割合、売却価格や支払期限、支払方法、契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)などの重要な事項について、きちんと条項を設けましょう。
ただ、弁護士に不動産の買取交渉を依頼した場合には、弁護士が売買契約書を作成してくれます。
4. 共有持分権の移転登記
共有持分の買取について売買契約書を作成したら、その内容に従って決済を行います。
具体的には、相手に対して売買代金を支払い、相手の共有持分を自分に移転することに伴い不動産登記を行います。
登記を行う際の登記費用は、買取人である自分が負担することが通常と思われます。
このように共有持分の買取に成功し、不動産登記を行うことで自分が不動産の完全な所有者になれば、あとは自分だけの判断で不動産全体を活用・売却したりできるようになります。